注目のニュース&分析記事(2025年3月)社会各領域でのNFTの活用とあわせ、司法の判断呈示、法規の改正、関連技術の開発が進んでいます
伝えたいこと
NFT関連のニュースまとめ
注目ニュース3題
- チケット不正転売対策につながる司法判断。チケミーが声明発表し、取り組み推進へ
- 暗号資産の普及に向けて仮想通貨の「仲介業」新設などを盛り込んだ資金決済法の改正案を閣議決定
- 秘密鍵紛失に伴うリスク低減を可能とする技術開発。
チケット不正転売への対策が明確化される司法判断(3/19)を踏まえ、NFTチケットで転売対策を進めるチケミーが声明を発表。
- 転売サイトへの出品そのものを技術的に防止
- 公式リセールを通じて安全に再販できる仕組み構築
- NFT技術活用で偽造・詐欺のリスクゼロ
- 主催者側が転売価格を管理、等の取り組みを推進へ

政府は7日、暗号資産(仮想通貨)の普及に向けて仮想通貨の「仲介業」新設などを盛り込んだ資金決済法の改正案を閣議決定。既存の交換業に比べて規制への対応が少ないため、企業が新サービスを展開しやすくなる。ただし仲介業が新設されても、利用者本人は交換業者に口座を設ける必要がある。メルカリや、SBI証券、マネックス証券などが参入に関心を示す。

株式会社Liquid、暗号資産ウォレットの秘密鍵であるシードフレーズが不要な顔認証ウォレットを、BLOCKSMITHと共同開発。秘密鍵紛失に際に資産が取り出せなくなるリスク低減し、不正アクセス防止にも効果。

学習・研修・成長の記録ツールとして
高校における学習の評価・可視化、自治体認定の修了書、幼稚園児の描いた絵の保存等で活用すすむ
KDDIとSUSHI TOP MARKETING株式会社、大阪府教育センター附属高等学校においてNFTとデジタル証明書活用による生徒の評価や取り組みの可視化を段階的に実施へ。学習意欲やモチベーションの向上、ならびに自己PRの向上に期待。

デジタル・イノベーション人材育成プログラム in静岡 第3期修了式で、自治体認定の修了証としては全国で初となるブロックチェーン技術を基盤としたNFT形式で発行。

名鉄未来クリエイツ、運営するバイリンガル幼児園卒園生を対象とした思い出づくりイベントとして、園児が描いた絵をブロックチェーン技術を使ったNFT将来に残す企画を初めて実施。デジタル分野への興味関心をもつ子どもを育てることを期待。

ツーリズムやスポーツ分野での活用広がる
日本NFTツーリズム協会によるアウォード発表、サッカーの鎌倉スタジアムでのNFTプロジェクト開始。
日本NFTツーリズム協会、「Japan Tourism NFT Awards 2024」ファイナル結果を発表。HIS、KDDI、NOT A HOTEL、MikoSea(地域資源部門)等がグランプリ獲得。観光産業においてWeb3技術がインフラとして認識されていくことに期待感。

鎌倉インターナショナルFCは、鎌倉スタジアムNFTプロジェクトを開始へ。「スタジアム芝生1平米オーナー」というアイデアをNFT化し、サポーターがデジタル上でスタジアムの1㎡を所有できる仕組みを導入。デジタルウォレットはクラブスポンサーでもあるNTT Digitalのscramberry WALLETを推奨ウォレットアプリとして案内。

NFT・ブロックチェーンの市場規模の拡大と流通基盤整備すすむ
クリプト忍者パートナーズ(NFT)・Mini Dapp(LINE NEXTのミニアプリ)の成長、DART’s(ガスゼロ決済システム)のスタート等。
国内NFT市場を牽引するCNP(クリプト·ニンジャ·パートナーズ)、発売から2年10ヶ月で二次流通の取引総額が14,000 ETH(約40億円相当)を突破し、ホルダー数5,460を記録。

LINE NEXTが提供するブロックチェーン「Kaia」を用いる分散型アプリケーション(Dapp)プラットフォームがリリースから約1カ月間でMini Dappの累計利用回数が、3,500万回を突破。日本、韓国、台湾、タイを中心に大きな反響。ゲーム,ソーシャルメディア,コンテンツ等、これまでに新規ウォレットを300万件以上発行し、1人あたりの平均購入額は約39ドル。

DART’s株式会社、銀座のラウンジ「KAKUREGA GINZA」で独自のブロックチェーン技術を活用したガス代ゼロ・手数料ゼロのQR決済をスタート。店舗・利用者双方にメリットを提供。支払いはDART’s WalletアプリからDARトークンが現地通貨に自動換算されて実行。

ブランド品やゴルフ場回数券など一般市場でのNFT活用すすむ
NFTを活用した高級ブランド品のオークション・抽選、スニーカーの模造品対策、ゴルフ場回数券の透明性・安全性確保等。
RAKUZA株式会社、NFT連動型の高級ブランドアウトレット「楽座アウトレットモール」を有楽町マルイ7Fにオープン。HERMÈSのバッグやROLEXの時計といった高級ブランド品を、新品または未使用品に限定してNFT出品。購入はオークション形式や抽選販売で実施され、RKC決済による割引などの特典も用意。

スニーカーの模造品対策として「独自ICチップ」を利活用した「情物一致」の手法により、粗悪な模造品の流通を完全に根絶する新しい真贋証明システムがサービス開始。専用アプリで読み込むことで、スニーカーの真正性(真贋性)を証明。さらに、該当するスニーカー、製品情報、そしてサプライチェーン(トレーサビリティ)が確認可能。

リソルホールディングスとGOLFINでNFTゴルフ場回数券を開発。NFT化することで、チケットの譲渡や再販が容易に。従来の紙やデジタルチケットでは難しかった透明性・安全性の確保も実現。

NFTを活用したマーケティングの多様な展開
全国のチェックスポットでNFT収集、日本酒に音楽を聴かせる権利、「界隈」を活かしたマーケティング、育児記録投稿にトークン付与等。
Pontaを運営する株式会社ロイヤリティ マーケティング、全国のチェックインスポットでNFTを集める新たなおでかけ体験の提供を開始。NFTを集めた方への特典として、50点以上のNFTを集めた方の中から、毎月抽選で1名様に10万円相当の純金カードをプレゼント。V

富士通のデザイナー、「日本酒に音楽を聴かせる権利」のNFT化を実施。消費者は4曲から好きな曲に投票、得票率に応じて楽曲のプレイリストをつくり、醸造タンクにスピーカーを取り付け音楽を流して酒造り。ユーザー参加の酒造りをデザイン。

博報堂グループ、web3を活用した「界隈」マーケティングソリューション開発。「界隈」の一員である証明ができた人だけが利用可能な新しい購買体験を提供。「界隈」発想を企業のマーケティング活動に活用へ。

妊娠・育児向けアプリを手がけるカラダノート、アプリ内での育児記録の投稿回数などに応じて利用者にトークンを付与するサービスを2026年に始める。一定のトークンがたまると、乳児向けの衣類やおむつ用ポーチといった子育て用品と交換可能。アプリ利用者増を図る。

まとめ
ユースケースの積み重ねと漸進的な制度変更によってWeb3の社会定着が徐々にですが着実に進んでいます。

東京大学工学研究科都市工学専攻を修了の後、公益財団法人九州経済調査協会や九州大学において長年、地域調査や産業政策・地域政策の立案に従事するとともに、数多くのまちづくりに参画している。
MikoSea Curator - Sakaguchi2025年3月のホットなニュースをわかりやすく解説します。