2024年6月後半のニュース NFTやブロックチェーンの活用は多様化・汎用化がすすむ一方で、“相性”のいい分野とそうでない分野とのコントラストが現れつつあるようです
NFTやブロックチェーンの活用は多様化・汎用化がすすむ一方で、“相性”のいい分野とそうでない分野とのコントラストが現れつつあるようです。一方で、新しい概念をもとに事業検証(PoC:Proof of Concept)という意欲的な取り組みもあり、大いにに注目いたいと考えます。
伝えたいこと
NFT関連のニュースまとめ
利用しやすいウォレット環境整備(aU)、デジタル銀行におけるウォレットサービスに向けた展開(SONY銀行)、画像AI×ブロックチェーンによる証明システム特許取得(clarus)、800万人以上が「好きでつながるバーチャルワールド」として活用している日本発SocialFi「Yay!」での個人認証機能の強化など、ブロックチェーンの汎用化がすすんでいます。
「SBINFT Market」と「SBINFT Mits」がKDDIのαU walletに対応。メタマスク等の海外事業者が提供するウォレットは初心者には難解なため、利用しやすいウォレット環境を整備。
Sony Bank CONNECT、事前登録期間中に専用サイトで「デジタルコンテンツ引換券NFT」を申し込んだ人に3Dコラボレーションデジタルコンテンツをプレゼント。現在、ブロックチェーンを基盤としたウォレットのリリースに向けた要件定義や設計を推進中。
デジタル証明書スタートアップのclarus、画像AI×ブロックチェーンによる証明システムで特許を取得。作品登録時に撮影される作品データをNFTに記録することで改ざん・削除されないデジタル証明書を提供。登録/判定の対象品はアート作品に限定されず。
誰もが素を出せるバーチャルワールド『Yay!』、Worldcoinの個人認証機能である「World ID」との認証連携を発表。ユーザーのアカウントを保護し、ボットによる不正アカウントを防止し、ユーザーが安心して利用できる安全なプラットフォームを提供へ。
焼酎、日本酒など酒類におけるトークン発行型のクラウドファンディングの広がりが見られ、今後の市場拡大が期待されます。
球磨焼酎の蔵元「大石酒造場」、コミュニティ先行公開期間を経て「未来共栄プロジェクト」で、熊本県産山桜樽を使用したプレミアムウイスキー『水上ウイスキー(桜)』トークン販売。ニューポット(ウイスキー原酒)の「熟成キット販売」もアナウンス。
日本酒ブランド「SAKENOVA」、2024年7月中旬開始予定のトークン発行型クラウドファンディング開始に先立ち、FiNANCiEにてトークンコミュニティをオープン。
盆栽ファン、ファッションブランドのファンをターゲットとしたNFTトークンや高額フィギュアなど、NFTによるファン経済の多様な展開。後者のフィギュアは付属のNFCチップにブロックチェーンデータが収録されている点が面白い。
「BONSAI NFT CLUB」と「SNPIT」のコラボレーションが決定。ユーザーは、カメラNFTを活⽤して撮影を⾏い、それにより独⾃のトークンを獲得可能に。
N.HOOLYWOOD × MetaSamuraiがコラボした1個約13.8万円*のフィギュア(NFT付)が即完。フィギュアはONEDRIP(NFCチップ)が付属されており、特別なデジタルデータが付与。
地域で展開されている公共交通サービス(JR東日本)、体験型の行政施設サービス(神奈川県)におけるデジタルスタンプ活用の広がり等、新たな情報技術の社会実装が着実に進んでいます。他方で、ふるさと納税NFTの活用は低位にとどまっているとの調査結果が発表され、ハードルの高さが伺えます。
駅スタンプアプリ「エキタグ」東北エリアのJR線に拡大!。記念でエキタグ×デジタル駅スタンプラリー開催。エキタグ賞、東北2県達成賞、東北4県達成賞、全駅達成賞などを提供。
デジタルガレージ、「かながわサイエンスサマー2024」にてNFTを活用した神奈川県の実証事業を開始。参加者が体験施設を訪れ、NFT(非代替性トークン)を取得することで、各施設での体験を記録していくデジタルスタンプラリー。
自治体DX推進協議会、「2023年度ふるさと納税実態調査報告書」をとりまとめ。ふるさと納税の施策として、自治体が興味をもつ施策は、新規返礼品開発がトップ(79.3%)、現地決済型ふるさと納税が増勢(36.8%)。ふるさと納税NFTは低位(8.1%)にとどまる。
ゾウの保護ドネーション(HIS&タイ国政府観光庁)、推し活行動への利益還元プログラムのPoC(三井物産)、「待ち侘び時間」に着目した実証実験など、社会における“つながり”に着目し、持続可能性を高めて行こうというこうしたプロジェクトは今後とも要注目です。
エイチ・アイ・エス(HIS)は、タイ国政府観光庁と共に、生物多様性を守り、持続可能な未来を目指すために、アジアゾウ保護ドネーションNFTを販売。I LOVE ZO3プロジェクト。一口5,000円(税込)
三井物産ら3社、LuckyFes’24においてweb3を活用した新たなロイヤリティプログラムの創出に向けたPoC第2弾を実施。ファンの価値ある推し活行動に対して適切に還元していく仕組みを実証。
待ち侘びる時間を価値に変えるサービス「Mati-wabi®」を使った実証実験に100名を超えるファンが参加し終了。待ち侘びたことの記念となる特別なデジタル証明書を発行。
まとめ
多様な取り組みが次つぎ現れ出てくることじたい、NFTとブロックチェーンの基盤技術としての可能性を示している考えられます。
東京大学工学研究科都市工学専攻を修了の後、公益財団法人九州経済調査協会や九州大学において長年、地域調査や産業政策・地域政策の立案に従事するとともに、数多くのまちづくりに参画している。
MikoSea Curator - Sakaguchi2024年6月後半のホットなニュースをわかりやすく解説します。