注目のニュース&分析記事(7月後半)ブロックチェーンやNFTは、多様な領域、多層な次元での取り組みが重ねられています
「技術と社会」という文脈において、ブロックチェーンやNFTという革新的技術の普及・定着は時間と試行錯誤が不可欠ですが、多様な領域、多層な次元での取り組みが重ねられています。
伝えたいこと
NFT関連のニュースまとめ
NFTテクノロジー普及に向けた社会的基盤整備
SONY銀行のウォレット展開をにらんだ基盤アプリリリース、東急の「渋谷ウォレット」を販売開始、NFT購入と「Pontaポイント」の連携サービス開始など、大衆消費市場におけるNFTテクノロジー普及に向けた社会的基盤整備が着々とすすんでいます。
web3 エンターテインメント領域向けアプリ「Sony Bank CONNECT™」アプリリリース。保有するNFTコレクションをいつでも、どこでも閲覧可能となることで、NFTがより身近に。将来はウォレットの機能ををもたせ、SONYがもつ豊富なデジタルコンテンツを変えるサービスにつなぐ目標もあり。
東急、渋谷の街でNFTを活用しリアルとデジタルを組み合わせた新たな体験を提供する「SHIBUYA Q DAO」が新たなサービス「渋谷ウォレット」を販売。デジタルお土産や渋谷の観光体験の証をNFTとして提供。NFCチップを採用することで、交通系ICカード感覚ででウォレットを操作でき、ブロックチェーンの煩わしさを解消。
SBINFTと「Ponta」を運営する株式会社ロイヤリティ マーケティングが提携し、NFTの購入でPontaポイントをためて、つかえるサービスの提供を開始。PontaポイントやPonta特別NFTをプレゼントするキャンペーン開催。Ponta会員にNFTを手軽に楽しんでもらう機会を提供。
NFTの社会各層での利用普及
「城」のファンや「猫」の愛好者をデジタル関係人口として地域に呼びこむ施策が全国各地で展開され、草の根のDX(デジタル革新)、LX(地域変革)が広がりをみせています。分散自律&関係創出型の地域づくりとして、注目していきたいと思います。
竹田城を起点に、「竹田デジタル城下町プロジェクト」が起動。竹田城の「デジタル城下町民」を1万人限定で募集。兵庫県朝来市と株式会社バケットが協定締結。アプリは全国200城の訪問(登城)記録を残せる機能、「城活」を報告できる機能などを装備。
沖縄県中城村と株式会社バケットが地域活性化を目的とした協定を締結。中城村を起点に、「中城城跡(なかぐすくじょうあと)デジタル城下町プロジェクト」を展開へ。
島根県松江市と株式会社バケットが地域活性化を目的とした協定を締結。国宝・松江城を起点に、「松江デジタル城下町プロジェクト」を展開へ。松江城の「デジタル城下町民」を1万人限定で募集。城郭を中心としたWeb3時代の地域創生コミュニティを形成へ。
“猫のように生きる”がコンセプトのNFTプロジェクト『Live Like A Cat(以下、LLAC)』と今治ブランド戦略会議、NFTを活用したデジタルアートスタンプラリーを開催。瀬戸内の島をめぐって”猫探し”することで、デジタル関係人口創出へ。
若年世代のスクールライフ、SNS活用に一石を投じそうな取り組み
"若年世代のスクールライフ、SNS活用に一石を投じそうな取り組みが相次いでいます。ブロックチェーンを使った「世界に一つだけの卒業アルバム」、教育機関向けのメタバースサービス提供、写真×ゲーム×トークンを念頭においたカメラNFT発売など、どれも“化ける”可能性を秘めています。
Z世代の後に控える、100%デジタルネイティブなα世代(〜12歳)がこれからどんな反応を示していくか注目されます。"
NTT Digitalと卒業アルバム大手のマツモト、ブロックチェーンで「卒業後もずっと続く」デジタル卒アルの実証実験を始動。児童・生徒一人ひとりに「世界に一つだけの卒アル」を発行。卒業証書や部活動の成果、ボランティア体験など、学生時代の活動履歴もNFT化。
ビートバップ、フリースクール、学習塾、高校、大学、その他の教育機関が、バーチャル授業、生徒の進路相談、先生同士のミーティングなどの目的で利用するためのメタバース、ビートバップメタバースハイスクールのサービス提供を開始。
写真を撮ることでトークンを稼ぐ Game-Fi「SNPIT」にてHISモデルのカメラNFTを発売。撮影した写真をユーザー間でバトルや投票をしあう事で、ポイントやトークンを獲得するGame-Fi体験が可能なアプリも提供。「Travel and Snap to Earn」を展開。
スケーラビリティやビジネスモデルを視野に入れた取り組み
世界170ヵ国、約1,000万地域でNFT(画像付き暗号資産)を無料配布したり、NFTオークションとリアルワールドアセット提供を組合せたりと、スケーラビリティやビジネスモデルを視野に入れた取り組みも引き続き取り組まれています。
ゼクサバース、世界170ヵ国、約1,000万地域でNFT(画像付き暗号資産)を無料配布。Web3の根幹技術であるレイヤー1ブロックチェーン(今回はダイバーチェーン)の拡張可能性を、世界中にアピールへ。2025年度中に10億枚のNFT配布を目指す。
「NFT ART TOKYO 4」にて、呂布カルマのNFT『呂布カルマパス』のフィジカルアートのオークションを開催。オークションに出品されたNFTには、リアルワールドアセット(RWA)特典として、GAAATのメタルキャンパスアートが付属。
まとめ
革新的な技術であればあるほど、技術の要素や存在が「前景」から「後景」にシフトしていく先に、本格的な技術普及があるということを強調しておきたいと思います。
東京大学工学研究科都市工学専攻を修了の後、公益財団法人九州経済調査協会や九州大学において長年、地域調査や産業政策・地域政策の立案に従事するとともに、数多くのまちづくりに参画している。
MikoSea Curator - Sakaguchi2024年7月後半のホットなニュースをわかりやすく解説します。