注目のニュース&分析記事(9月前半)国産のブロックチェーンインフラ環境が整備されることで、Web3の社会実装に弾みがかかるこことが期待されます。
今回取り上げる中で最大のニュースでは、先月23日にSONYからプレスリリースされたSONY独自のブロックチェーン"Soneium(ソニューム)の開発発表を受けた一連の動きです。SONYによって、国産のブロックチェーンインフラ環境が整備されることで、Web3の社会実装に弾みがかかるこことが期待されます。
伝えたいこと
NFT関連のニュースまとめ
Sony Block Solutions Labs、博報堂キースリーとSoneiumテストネットを共同発表
【Sony ニュースリリース/8月23日】ブロックチェーン"Soneium™(ソニューム)"を開発。「ソニュームが誰もが日常的に使用できるインフラとなるよう、ソニーグループ内の多様な事業やIP等も活用しながら新たなサービスを創出し、Web3技術を活用したユースケースが日常的に人々に使用される世界を目指す」とした。
Sony Block Solutions Labsは博報堂キースリーと共同で行う Soneium テストネットローンチを発表しました。グループ内に多様な事業やIPコンテンツをもつSONYが社会的な基盤としてパブリックブロックチェーン事業に乗り出すことで、現在一部のコアユーザーに限定されてWeb3技術の利用が、今後一般層に拡大していくことが見込まれます。
詳細については、同掲のJBPressネット記事「デジタル経済圏強化へ、激化する覇権争い」を参照してください。
【Sony ニュースリリース/8月23日】ブロックチェーン“Soneium™(ソニューム)“を開発。「ソニュームが誰もが日常的に使用できるインフラとなるよう、ソニーグループ内の多様な事業やIP等も活用しながら新たなサービスを創出し、Web3技術を活用したユースケースが日常的に人々に使用される世界を目指す」とした。
Sony Block Solutions Labs、博報堂キースリーと共同でパブリックブロックチェーンである「Soneium (ソニューム)」の統合的なサポート展開に向け、テストネットをローンチ。
【ネット記事】Sonyが独自のブロックチェーンネットワーク「Soneium」を開発したと発表したことで、デジタル経済圏強化へ、激化する覇権争い。楽天、NTT、KDDIによるウォレット開発にも拍車。Web3におけるインフラ整備でこれまでのインターネットの在り方を大きく変える可能性を指摘。
NFTで玩具に新たな付加価値の可能性拡大
愛玩対象としての玩具が、NFTによってこれまでにない新たな価値付加の可能性が広がりつつあります。一つは<大人向け玩具×知財×NFT>という戦略でデジタルIDを付与し真贋判定、ブランドストーリー共有を実現しようというものです。もう一つは<プラレール×アニメ動画×NFT>という組み立てで鉄道の新しい楽しみ方を提供しようというものです。
リーガルテックグループ、1兆円規模の玩具市場を守るためブランド&知財保護システム「HyperJ.ai」を導入。大人向け玩具製品にブロックチェーン技術を活用したデジタルIDを付与し、真贋判定、トレーサビリティ、ブランドストーリー共有を実現。
JR九州、ロングセラー鉄道玩具「プラレール」(発売元:タカラトミー)と連携し「プラレール」の世界観で、JR九州の列車とコラボしたアニメ動画コンテンツを9月13日(金)より発売。「JR九州NFT」の認知拡大と新しい鉄道の楽しみ方を提供へ。
チケットのNFT化でエンタメ・旅行市場を活性化する取り組みが始まる
「チケット」をNFT化し、コミュニティ機能、特典サービス機能、リセール機能等を付加することで、エンターテインメント市場や旅行市場を活性化しようという取り組みが始まっています。
SBINFT、ローソンチケット・ローソントラベルによる国内初のNFT企画付きエンタメツアー催行を支援へ。NFTを一括配付する機能やアンケート機能を用いてファンと直接交流しながらコミュニティーを形成することが可能に。
ローソントラベル、韓国ミュージカル『HADESTOWN』の現地観劇ツアーに2種類の特典(NFTがセット)付きのチケット販売を決定。特典NFTには、VIPチケットやバックステージツアーがついたイベント入場用NFT"と、ソウル市内の指定レストラン・カフェを利用できる"割引券NFT"の2つが付く。
東急リゾーツ&ステイ、万一急な予定変更などで予約したプランが利用できなくなった場合でもお客様ご自身でリセールが可能なプランを秋の旅行応援キャンペーンとして、チケミーにて販売。
国境を超えるサービス拡大:ホテル予約のブロックチェーン活用訪問や日客向け「Donate & Go」
旅行にしてもエンターテインメントにしても、今日では国境を超えたサービス提供やファン獲得、コミュニティ展開が必須です。ホテルの予約システムにおけるブロックチェーン活用実験(大和ハウスグループ)が始まり、NTT Digital、と韓国Xangle社との間で、ERPサービス、デジタルウォレット技術の相互提供に向けた基本合意が締結されました。また、訪日客にご当地ギフトを提供するユニークな仕組み「Donate & Goコンソーシアム」も発足しました。
大和ハウスグループ、Web3(ブロックチェーン)を活用し、インバウンド向けホテルのユーザー情報や予約情報を安全かつ効率的に記録するシステムを実証実験へ。顧客を軸にデータをつなぎ、シームレスな旅行体験を提供。
NTT Digital、韓国のXangleと最先端のデジタル技術の社会実装に向け基本合意。取り組みの第一歩として、エンターテイメント業界やファンコミュニティサービスにおける事例創出に取り組む。
eギフトプラットフォーム事業を展開する株式会社ギフティ、訪日客が訪れた地域に寄付をし体感型のご当地ギフトをお礼として受け取る国内初の仕組み「Donate & Go(ドネイト アンド ゴー)」が、京都市、倶知安観光協会、大阪ガス、JALとの提携で発足。
消費財・サービス分野でNFT活用拡大、抵抗感の縮小へ
国内の消費財・サービス分野での活用においても、カルビー食品の取り組み(かっぱえびせん×Web3ゲーム×NFT)、月1回・1時間ワンストップ美容サロン、ペット入店可能なカフェのNFTアプリ導入、ヒップホップ「呂布カルマDAO」の発売開始、テレビ番組と連携した「名言カード」配布など、多種多様なNFT活用がすすめまれています。
このような活用の裾野拡大によって、新技術に対する抵抗感やギャップは今後急速に縮小していくと考えられます。
カルビー、国内食品メーカー初、「じゃがりこ」「かっぱえびせん」と人気web3ゲームとのコラボアイテム(NFT)を発売。web3時代の新たなコンテンツとしてweb3ゲームやweb3サービス上でのカルビーのブランディングを推進へ。
ワンストップ美容サロン「ミダシー」がFiNANCiEにてトークンを発行。「月1回、1時間、1万円で、身だしなみを完璧に」をコンセプトに全国200店舗展開と年商100億円企業を目指す。「ミダシートークン」の発行 でメンバー限定情報の提供などを実施。
ペット入店可!横浜中華街のカフェ『cafe168』にLOOTaDOG QRの導入が決定。LOOTaDOGとは、日常の散歩をゲーム化し、デジタルわんこの育成も同時に楽しめるお散歩アプリで、今後もNFTやブロックチェーンを活用し、ペットと飼い主のウェルビーイング向上と新たなペット愛護の形を模索、開拓。
日本を代表するヒップホップMC『呂布カルマ』がアンバサダーを務める日本でも珍しいHIPHOP DAO「呂布カルマDAO」が発売開始。トークン保有者様と新たなHIPHOPカルチャーを共創へ。
SUSHI TOP MARKETING、テレビ東京の番組「あちこちオードリー」において、ブロックチェーンを活用したデジタル名言カードを配布する新しい取り組みを開始。電通との共同開発「みんなのあしあと」を活用し、2次元コードを活用したデジタルチケットを映像や紙面などから簡単に生活者に届けることが可能。
NFT活用のデジタルスタンプラリーが街体験の新たな接点に
NFTを活用した「デジタルスタンプラリー」も街の体験や訪問先のとの継続的な接点づくりにとて基本的なツールとなりつつあります。
小田急電鉄、下北沢商店連合会、スタートバーンの共催でアートフェスティバル「ムーンアートナイト下北沢 2024」9/13から開催。NFTスタンプラリーやNFTチケットなど、アートを通じて下北沢の街全体をお楽しみいただける17日間のイベントで、昨年は40万人が来客。
JR東日本、NFTを使った「那須・新潟デジタルスタンプラリー」を開催。「那須・新潟デジタルスタンプラリー」を通して那須・新潟エリアへ訪れるきっかけづくりと、NFTを通した参加者との継続的な接点づくりをめざす。
Web3認知調査で「NFT」は4位、技術その後の景化と社会実装が進展
新技術を受容していく社会の側の変化もあって、最新の『Web3に関するアンケート調査』では、『Web3』と聞いて思い浮かぶもの順位は1位「ブロックチェーン」2位「メタバース」3位「暗号資産(仮想通貨)」となり、「NFT」は4位となっています。NFT(トークン)は社会実装がすすみ、技術面が「後景化」しつつあることを伺わせます。
不動産領域においても、ブロックチェーン上でのやりとりが今後増えていきそうです。
フォーイット、Web3に関するアンケート調査結果発表。『Web3』と聞いて思い浮かぶもの順位は1位「ブロックチェーン」2位「メタバース」3位「暗号資産(仮想通貨)」。「NFT」は4位。
GREENING、Crypto Garage、Decentierの3社が新しいライフスタイルを提供するシェアリング不動産プラットフォームの構築に向けた提携を開始。「すべてのモノをブロックチェーン上でやりとりできる世界をつくる」というミッションに、RWA(現実資産)領域のNFT化を中心に新規事業開発を推進へ。
まとめ
NFTの基盤技術であるブロックチェーンの信頼できる基盤(OS)整備と、それを活用したアプリケーションやコンテンツ開発が相乗効果を生み出しながら、いよいよ本格化しそうです。
東京大学工学研究科都市工学専攻を修了の後、公益財団法人九州経済調査協会や九州大学において長年、地域調査や産業政策・地域政策の立案に従事するとともに、数多くのまちづくりに参画している。
MikoSea Curator - Sakaguchi2024年9月前半のホットなニュースをわかりやすく解説します。