2024年2月のニュース関係人口創出や地方創成に向けた活用が増える気配
伝えたいこと
NFT関連のニュースまとめ
NFCタグをNFTに紐付け、真贋証明、開封検知、正規品管理を提供するサービスがスタート(SBIトレーサビリティ)
リアルな商品(現実資産)とブロックチェーン情報が埋め込まれたNFTを紐付ける技術はこれまで未実装な状況でしたが、NFCタグの活用で大きく前進しそうです。商品にNFCタグ(シート)を貼ることで、①購入者は商品開封後、NFTタグにスマホでタッチして簡単に“いつ・どこで・誰が”製造したかという証明をブロックチェーン情報として受けとる、②販売製造元は、NFCタグにより商品に付された固有IDに出荷先情報を紐付けし、データベースで管理することが出来る。加えて二次販売など商品のトレーサビリティを実現することができるようになり、購入者・販売製造元の双方にメリットが期待されます。
JTB、JAL、パルコ、九州電力(QTnet)などの大手の進出やトライアル相次ぐ
NFTのみならず画期的な技術の社会への導入当初は、供給も需要もイノベーターやアーリーアダプターとよばれるベンチャーが採用し、新市場を創り出していくものです。その後、既存大手企業の試験的な利用が始まることを歴史が教えてくれています。NFTにおいても、JTB(伝統工芸品)、JAL(機材のデジタルアート)、パルコ(NFTアートポップアップ)、九州電力グループ(NFTを使った個人の医療健康情報管理)等が、相次いでNFT利活用に乗り出しています。NFT社会実装への期待が広がりそうです。
NFTアートの投機的ブームが去って、RWA(現実資産)、地域資産をNFT化しようというフィジタルな動きが本格化
NFTの展開領域は当初のデジタルアートからリアルな地域資産へと大きくシフトしています。博報堂と日本航空は、希少価値の高い火入れ前の生酒、伝統工芸職人の手になるオリジナル包丁等のNFT化を手がけています。金融の世界でも「リアル・ワールド・アセット(RWA)のトークン化」という話題が広がっているようです。
まさに「フィジタルNFT」の動きです。
マラソン完走証、秋田県血統証、ファッションブランド認証、カーボンクレジット、研修認定資格証等、ブロックチェーン活用が拡大
NFT活用で完走、血統、ブランド、炭素削減、資格取得の「証」が改ざん不可能なかたちでデジタルで実現できるとの理解が広がり、多様な分野でNFTが使われるようになりました。
きっぷNFT、御朱印帳、スタンプ帳などでの活用がツーリズム、鉄道関係で増加
日本には印鑑文化の蓄積をいかし、「御朱印帳」や様々のスタンプ文化が現代においても息づいています。そうした文化ストックを背景に、ツーリズムや移動の世界で、パーソナルな記録や記憶を残していこうという日本ならではのNFT活用が様々に行われるようになりました。
静脈認証で唯一無二のウォレット、秘密鍵の作成が可能に
指の静脈認証から生成されたデータを利用して、唯一無二のウォレットを作成する技術の開発は要注目です。NFTを活用したトークン経済にとっても重要な意味をもっています。
生体認証技術の一種である静脈は親や兄弟、双子であっても異なるため、唯一無二のIDです。
ウォレット作成時のユーザビリティ向上や気軽な操作感はNFTの普及にも影響を及ぼしていくと考えられます。
デジタル住民票、ふるさと納税等、関係人口創出や地方創成に向けた活用が増える気配
地方創成、地域活性化に貢献していきたいという人々のマインドは様々な形で出口を求めています。UI(ユーザーインターフェイス)、UX(ユーザー体験)という観点から地域貢献、社会貢献の水路を魅力的なものにしていく重要性が高まっています。
そうした点でNFTを活用し、「デジタル住民票」「ふるさと納税」等の仕組みによって地方自治体の「関係人口」を増やし、交流を活発化していく取り組みは今後とも大きな動きになっていくと考えます。
NFTを無料で発行・送付可能な新サービス「VaiNFT」がクリエーター、コミュニティ、イベント向けにスタート
NFTの発行や流通にはシステム開発やガス代をはじめ様々なコストがかかります。その分の負担をどう低減していけるかが、NFT市場の展開命運を握っているとも言えます。無料サービスの登場によってNFTプラットフォームのビジネスモデル競争が始まったと言えそうです。
まとめ
NFT関連で各方面に動きが出ています。これからの動向に注目です。
東京大学工学研究科都市工学専攻を修了の後、公益財団法人九州経済調査協会や九州大学において長年、地域調査や産業政策・地域政策の立案に従事するとともに、数多くのまちづくりに参画している。
MikoSea Curator - Sakaguchi2024年2月のホットなニュースをわかりやすく解説します。