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フィジタルの世界フィジタルNFTの可能性ーデジタルと現実の境界を超える価値と体験

今日、デジタルとリアル世界は切り離せない状況となっています。デジタルと現実の境界を超える価値や体験が様々なかたちで裾野を広げています。「Phygital(フィジタル)」というキーワードに再び注目が集まりつつあります。

伝えたいこと参加や“本物”に向かうメンタル欲求をNFTが価値化し実現する

NFTの活用でリアルな商品・サービス、デジタル情報世界、メンタルな欲求が統合され、新たな価値と体験の領域を広げています。 

フィジタルの基本概念

フィジタルの基本概念

フィジタル(physital)は、物理的な世界(フィジカル)とデジタル世界(デジタル)の融合を目指し、新しい顧客体験を生み出すコンセプトです。この融合により、従来のビジネスの枠組みを超えた新たなビジネスモデルや価値創造が可能になりました。

これまでも物理的な商品販売とデジタル技術と組み合わされたサービスが、オンラインとオフライン、デジタルコンテンツとリアルな店舗体験の統合というかたちで、新しい顧客体験が提供されてきました。

フィジタルの新次元

こうした展開に加え、2021年以降、代替不可能な様々な価値を表すNFTの活用が始まったことで、メンタルという感覚的・精神的な次元がフィジタルと融合していく契機となっています。NFTを使うことでユーザーサイドに共感、応援、参加等の非金銭的な動機や“つながり”の意識が喚起されるとともみ、“本物であること”という貨幣換算できない価値を市場において表現していくことが可能になってきました。

フィジタルの新次元

こうした展開に加え、2021年以降、代替不可能な様々な価値を表すNFTの活用が始まったことで、メンタルという感覚的・精神的な次元がフィジタルと融合していく契機となっています。

NFTを使うことでユーザーサイドに共感、応援、参加等の非金銭的な動機や“つながり”の意識が喚起されるとともみ、“本物であること”という貨幣換算できない価値を市場において表現していくことが可能になってきました。

フィジタルNFTの展開事例

  • 盆栽 NFTクラブ

    このプロジェクトは「盆栽を世界中のアート好きが熱狂するコンテンツへ」というコンセプトです。NFTを一定数購入すると本物の盆栽が届き、リアルな盆栽体験が提供されます。またNFT収益で「みんなで作る盆栽園」を埼玉県および米国シアトルで実現しました。盆栽のNFT化によって、従来の盆栽愛好家だけなく、アート分野をはじめとする新しい顧客を盆栽ファン、共創パートナーとしてつかみ、盆栽を文化として広めることに貢献しています。 

  • ウィスキー NFT(UniCask)

    このプロジェクトではNFTを活用することでウイスキー樽の所有権をNFT化し、スマホで権利の売買、保有、管理していくサービスを提供しています。樽に眠るウイスキーという有形物をNFT化し、1/100樽の単位で提供しています。これまで富裕層に限定されていた樽所有の世界を小口化・民主化し、10年・20年という時間をかけてウイスキーを一緒に育てていくという感覚を味わってもらおうというものです。このアプローチは、ウイスキーの愛好家やコレクターに新たな収集方法を提供し、ウイスキーの楽しみ方を広げています。 

  • 平田酒造場メンバーシップNFT

    このプロジェクトでは、酒蔵のメンバーシップNFTを発行し、お酒を共に育てる仲間を募集します。プロジェクト参加者には購入口数に応じ、特別限定の“にごり生酒”冷凍酒や28年熟成古酒が提供されるとともに、酒造り体験会、新商品お試し、きき酒大会への招待が届きます。プロジェクトを通じてお酒のつくり手と直接出会い、酒造りに参加する機会が提供されます。「ぼくらの酒」を蔵と一緒につくっていくという唯一無二の体験と喜びを味わっていくことが可能です。 

[日本酒×NFT]の革新:飛騨高山の平田酒造場が「蔵は醸し育てるもの」NFTクラウドファンディングで目標達成 株式会社平田酒造場は、伝統的な日本酒の製造に取り組む歴史ある酒蔵です。「酒は醸し育てるもの」をモットーに、技術と情熱を持って、質の高い酒造りをされています。この度、より多くの人に平田酒造場を知っていただきファンになってもらいたいとの思いから、MikoSeaのNFTクラウドファンディングに挑戦。「酒蔵、お酒を共に育て、一緒に盛り上げてほしい」そんな熱い思いが共感を得て、目標金額の150万円の支援を集めることに成功しました。プロジェクトを始めるに至った経緯や、工夫されたことや苦労されたこと、成功の秘訣などを、平田酒造場杜氏の津田篤志さんと店長の山本富司夫さんにお話を伺いました。 /cases/sake-nft-innovation-hirata-brewery/
[日本酒×NFT]の革新:飛騨高山の平田酒造場が「蔵は醸し育てるもの」NFTクラウドファンディングで目標達成
  • ルイ・ヴィトンNFT

     LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)はブロックチェーン技術を導入し、製品のトレーサビリティを強化しました。このプロジェクトでは、製品の製造から流通までの履歴を追跡できるようになり、偽造品の排除と高級品への信頼性が保護されます。あわせて LVMHは二次販売を通じた所有者の履歴を記録することで、高級ファッション商品に美術品・骨董品のような歴史的価値を付加していくことをめざしています。そのことで所有者はいろんな人間に愛されてきた逸品を時間や空間を超えた価値として楽しんでいくことが広がっていきます。 

フィジタルNFTの意義

お金に還元できない価値の提供

フィジタルNFTはお金に換算・還元することが難しい価値の実現に向かうものです。職人技で丁寧につくられた特別な逸品が欲しい、ローカルの生活文化にふれる静かな旅がしたい、暮らしの豊かさ実現にむけ当事者として息長く事業参加したい、という欲求の高まりを受けたプロジェクト型の事業です。

参加型の関係構築

フィジタルNFTは BtoC、BtoBというビジネスライクな関係性を超え、PtoP(peer to peer:仲間どうし)をベースとした資金調達と参加の仕組みを目指すものです。これはまさに共同性を実現し、透明性を担保するNFTならでわの展開領域です。またスケールメリットを求めるGAFA的な中央集権システムと異なり、自律分散的で顔の見える経済圏をつくり出していくものです。

真正性と信頼性の実現

NFTはブロックチェーン技術を使用して、商品の真正性を保証し、トレーサビリティ情報を提供していくことが可能です。そのことで偽造品の排除や高級品の信頼性の保護に役立ちます。また、NFTはそれぞれユニーク(代替不可能)であり、権利の明確化と希少性を提供します。

NFTの企画・販売側には従来と異なる手法で新しい市場にアプローチできる可能性が広がります。特に、デジタルアートや限定版商品などの領域では、希少性の担保力が高く評価されています。

まとめNFTは貨幣換算できない価値との相性がいい

フィジカル(商品・サービス)、デジタル(情報)、メンタル(感覚的・精神的価値)が融合した“フィジタル”とNFTの結合によって、貨幣に換算できない、目に見えない価値をブランド化し、流通させていく可能性が開けてきました。また、中小企業が新たな成長機会をつかみ、ユーザーがこれまでなかった体験世界にアプローチしていく貴重な選択肢となりました。

MikoSea Curator - Sakaguchi
著者:MikoSea Curator - Sakaguchi

東京大学工学研究科都市工学専攻を修了の後、公益財団法人九州経済調査協会や九州大学において長年、地域調査や産業政策・地域政策の立案に従事するとともに、数多くのまちづくりに参画している。